ー物語ー

めぐり巡る『Ring』

『Ring』それは、世界の人々の運命を決める輪

それはただ・・静かに

規則正しく廻り続ける

そして、静かに唄を奏でる。


世界は『Ring』に支配されている。
少しでも道から外れようなら、容赦なく滅ぼされる。
滅びの唄からは、誰も逃れられない。

戦を起こそうとすれば、起こそうとしたもの全てが滅びる。

だから誰も戦を起こさなくなった。
誰も争わなくなった。

世界は、平和になった。

それは、張りぼての平和だ。

世界に住む者。
特に、戦争を起こしやすい人間は、心に憎悪を抱いた。
『Ring』を憎み、他人を憎む。
消化されることのない、その憎しみの想いが
世界に魔物を生み出した。

魔物は暴れた。
エルフを襲い、魔族を襲い、生み出した人間すら襲った。

魔族は、魔物を支配しようとした。
しかし、それはできなかった。
人の心を支配することが出来ないように、魔物も支配することは
できなかった。

唯一支配することができたのは、『Ring』だけ

『Ring』の唄が、魔物を鎮めた。
しかし、このことが原因で『Ring』にも狂いが生じてしまう。

それを正したのは、調整者だった。

調整者は、唯一狂った『Ring』を正しく導ける者。

『Ring』に選ばれた六人の調整者。
不老不死と『Ring』を正す唄の力を持っている。

しかし、『Ring』に近づくことは危険なこと。
心を狂わせてしまう。

狂った調整者は、『Ring』を正すことは出来ない。
逆に狂わせてしまう。

だから、狂った調整者は『Risk』の滅びの唄で終わりを告げる。
そして、新たな調整者が生まれる。

『Risk』は、唯一不老不死の調整者を滅ぼせる者。

世界にたった一人の者。

しかし、『Risk』もまた、滅びの唄を歌うことで自らを狂わせて行く。

そして、完全に狂った『Risk』は、『Ring』の唄で終わりを告げる。

この循環が、世界を成り立たせている。
そう、めぐり巡る輪のように・・・・。